
IT関連の用語で最近耳にするようになってきた「ミドルウェア」。どのような意味があり、どんな役割があるのか知っていますか。システムを運用するときには欠かせない知識の一つで、システムの安定したサービスを提供するためにも覚えておきたい用語です。
そこでミドルウェアについての基礎知識や監視の必要性、awsの監視ツールなどについて紹介します。
ミドルウェアとは?
ミドルウェアとはコンピューターのソフトウェアの一つで、OSとアプリケーションの間に入って、両者のサポートをします。ミドルウェアを使うことで高度な処理を可能にしたり、開発コストの削減を実現したりします。また異なるOSやハードウェアで動作が可能になるのもミドルウェアの特徴です。
ミドルウェア無しでOSだけを利用してアプリケーションを動かすことは可能ですが、使わないと効率が悪くなってしまうことがあります。
2つの間を取り持つ役割のあるミドルウェアを上手に活用することでレベルの高い処理が出来るようになり、より効率的に作業を終えられるのです。ミドルウェアではアプリケーションで使う汎用的な機能をまとめているため、素早くアプリケーションを作ることが出来るのも魅力です。
業務処理に特化した部分だけ手を加えれば良いので、開発コストの削減や期間の大幅な節約になります。
ミドルウェアの種類
ミドルウェアの種類には、大きく分けて3つあります。ウェブサーバーやアプリケーションサーバー、データベース管理サーバーです。ウェブサーバーはウェブブラウザからの要望に応じて、静的コンテンツを表示させます。
静的コンテンツとはウェブブラウザのリクエストに対して、いつでも同じ結果を出すコンテンツのことになります。誰がいつ閲覧しても、必ず同じ画像や文章が表示されるのです。HTMLファイルや画像、CSSなどから構成されています。
ウェブサーバーは静的コンテンツを表示させるだけでなく、動的コンテンツの表示をする機能も存在します。動的コンテンツはリクエストする人や内容に応じて表示する結果が異なり、その人が求めているものを画面に出してくれます。
例えば通販サイトや特定のウェブサイトにログインすると、今まで閲覧した内容や買ったものに合わせて表示する内容を変えるのです。アプリケーションサーバーはウェブサーバーの要望を受けてプログラムを呼び出し、情報を処理していきます。
動的コンテンツを生み出すことが出来るミドルウェアです。ウェブサーバーが静的コンテンツを表示させるのが得意なのに対して、動的コンテンツを表示させるのが得意です。アプリケーションサーバーだけでは要望に応えることが出来ないときには、データベース管理サーバーに助けを求めます。
データベース管理サーバーはデータベース管理システムを動かすものです。コンピューター内に保管されたデータを抽出、編集、共有することが可能です。
ミドルウェアは監視することが必要

システムを安定して運用するためには、OSやアプリケーションの監視は必要不可欠で、ミドルウェアも例外ではありません。異常を察知したら素早く処理し、システムへの影響を最小限にしなければなりません。システムを安定して稼働させるためにはサーバーやネットワーク機器、ストレージなど様々なところを見守らなければいけないのです。
定期的に稼働状況を調べて、異常が起きていないか確認します。ミドルウェアはサーバーの中に存在するので、サーバー監視を行うときにアプリケーションやOS、ハードウェアなどと一緒に監視対象となります。定期的にサーバー監視をしていないと大規模な障害に繋がったり、復旧の遅れに影響したりするのです。
安定かつ継続した運用をするためには、ミドルウェアの監視を含んだサーバー監視は欠かせません。
サーバー監視に活用出来るawsの監視ツール
サーバーをはじめストレージやデータベースなど、200以上の機能をクラウド上で管理することが出来るサービスの一つに、awsがあります。awsとはAmazonが提供するサービスで、サーバーの環境構築やデータの保存、データベースの利用やプログラムの実行環境を整えてくれるツールなどがあります。
特別なハードウェアやソフトウェアを購入する必要がなく、初期費用を抑えられるのが嬉しいポイントです。常に最新のセキュリティーが施されているので、外部からの侵入にも強いです。ストレージの拡張やメモリ数のアップもでき、今よりも高スペックな環境を作り出せるのも良い部分になります。
そんなawsのツールの中には、監視ツールも作られています。監視ツールな大きく分けて2つのタイプがあり、使う目的やツールの内容によって使い分けましょう。一つは監視サーバーもシステムも自分で用意するタイプ、もう一つは監視サーバーだけ提供元が管理し、システムだけを使うものです。
全て自分で用意するタイプは、「Zabbix」です。オープンソースの統合監視ツールで、システムの監視やアラート通知などの機能が含まれています。高度な監視を実現し、素早く異常を察知してくれる優れものです。プロセスやログ、ネットワークはもちろんのこと、ミドルウェアまでしっかり見てくれます。
システムだけを利用するタイプは「Amazon Cloud Watch」と「Mackerel」です。「Amazon Cloud Watch」は問題を素早く察知し、解決に導いてくれます。事前に定義したい値や異常動作などを登録しておけるのも便利です。
「Mackerel」はサーバーにインストールするだけですぐに監視が始まります。一元化管理も出来るので、運用も楽です。
aws監視ツールの選び方
aws監視ツールを選ぶときにはきちんとミドルウェアまで監視してくれるのか、問題が起きたらすぐに知らせる機能があるのかチェックしましょう。せっかくawsの監視ツールを導入しても、ミドルウェアまで見守ってくれなければ意味がありません。
きちんと機能や監視対象を確認して、利用するようにしましょう。費用について考えることも大切です。無料のものから有料のもの、期間限定で無料サービスを行っているなど料金設定は様々です。コストを掛けずに運用したいのか、お金が掛かってもしっかり監視して欲しいのかによって申し込むツールが違ってきます。
求める機能と料金を照らし合わせて、ピッタリのツールを見つけましょう。
安全性を手に入れるためにも監視ツールを

世界中で使われているawsの監視ツールは、システムの安全性や安定性を保ってくれる大事な役割があります。データの紛失や情報漏えいなどのトラブルを起こさないためにも、監視ツールはなるべく導入するようにしましょう。
いくつかのツールを比較して、システムに合うサービスを選ぶことも重要です。必要があれば他のツールも一緒に活用して、安全面の強化に努めましょう。