
awsを運用するときには死活監視やリソース監視をすることが必要になります。メモリは重要な監視項目の一つですが、どのように監視したら良いかがわからずに困っている人もいるでしょう。この記事ではawsでメモリ監視をする方法や、監視にかかる費用を紹介します。
問題が発覚したときの対策方法も解説するので参考にしてください。
(awsでストレージの監視が必要な理由は?重要なポイントと合わせて解説!)
awsでメモリ監視をする目的
awsでメモリ監視をする目的は大きく3つに分けられます。1つ目は障害発生時に原因を究明できるようにメモリ使用率のデータを蓄積しておくことです。定期的にメモリ使用率を取得して経時的なデータを作成すると、どのようなときにメモリ不足によるトラブルが発生するリスクが高くなるかがわかります。
aws上のシステムの動作が重いというクレームがあったときに、メモリが原因かどうかをすぐに判断できるのもメリットです。2つ目はawsのメモリのリソースを最大限に活用することです。awsに複数のインスタンスを作成する場合にはそれぞれにメモリを割り当てます。
メモリ監視をすることで、リソース配分のバランスが適切ではないことに気付くことが可能です。メモリ使用率の高いインスタンスにより多くのメモリを割り当て、メモリ使用率の低いインスタンスではメモリを減らすという対応ができます。
メモリの利用量によってawsの料金は変動するので、予算内で使えるメモリのリソースを有効活用することに直結します。ディスクの使用量や読み取り・書き込み、CPUなどのリソースパラメータも合わせてリソース監視をすると合理的な運用を実現できるでしょう。
3つ目はメモリ不足による障害発生を未然に防ぐことです。メモリ不足によってシステムが動作しない、エラーが発生する、フリーズするといったトラブルが起こることがあります。メモリ監視をして使用率が高くなったときに対処をすれば、サーバーダウンを起こすような大きな障害を防ぐことが可能です。
メモリ不足にならないように常時調整をしていれば、ユーザーが常に快適にシステムを利用できます。メモリは一時記憶媒体として働く部分なので、ユーザー視点でシステムが快適に動くようにするには必要量を確保することが欠かせません。
特に顧客サービスにawsを利用する場合にはユーザーエクスペリエンスに影響するので、メモリは重要な監視項目です。
awsでメモリ監視をする方法
awsではCloudWatchによってメトリクスを取得して死活監視やリソース監視をするのが主流です。ただ、CloudWatchによって標準的に取得可能なメトリクスにはメモリに関する項目が含まれていません。
メモリ監視をするためには外部ソフトを利用するか、CloudWatchエージェントをインストールしてカスタムメトリクスの取得をできるようにする必要があります。公式サービスで取得できるカスタムメトリクスも多いことから、一般的にはCloudWatchエージェントを利用してメモリ監視をしています。
CloudWatchエージェントをインストールすると、標準のメトリクスを確認できるコンソールから、カスタムメトリクスについても取得できるようになるので簡単です。
awsのメモリ監視で必要なこと
awsのメモリ監視では目的に合わせた監視体制を整える必要があります。障害発生がほとんどないと見越せる場合にはメトリクスの自動取得をしてデータを蓄積していき、業務時間中のようにサーバー負荷が大きくなりやすい時間帯に適宜有人監視をすれば良いでしょう。
一方、障害発生リスクがある場合や、パフォーマンスの低下によってユーザーエクスペリエンスが下がるリスクが懸念される場合には、常時監視をして常に最適化できる体制を整備することが必要です。自動対策が可能なスクリプトを用意してメモリの最適化をするか、有人監視を常時おこなえるようにするのが基本です。
awsのメモリ監視にかかる費用
awsのメモリ監視ではリソースの費用とカスタムメトリクスの取得費用がかかるので注意しましょう。
awsを安定運用する上で監視は不可欠なので、メモリ以外のリソース監視や死活監視も必要です。ただ、監視項目が多くなると監視担当者の負担が大きくなります。
外部委託の場合にはリソース全体でパッケージ化されていることが多いので、メモリも監視してもらった方が良いでしょう。
社内で監視をする場合には監視項目に優先順位を付けてメモリも一項目として考慮するのが大切です。awsの使い方によってメモリ監視の優先度には違いがあるので、最適な方針を立てる必要があります。なお、awsでCloudWatchエージェントを使ってカスタムメトリクスを取得するには費用がかかります。
CloudWatchの標準項目は費用がかかりませんが、カスタムメトリクスは課金対象です。料金は変動しているので一概には言えません。2023年初頭の時点ではメモリ使用率だけであれば1分に1回、1ヶ月の取得で0.5ドル程度の費用です。
1項目だけなら大した金額ではないですが、項目数が増えれば大きなコストになります。メモリはリソース監視を通してawsの利用方法を最適化するのに重要なのは確かなので、優先的に取得項目として挙げておきましょう。
監視をしていてメモリ不足が発覚したときの対策方法
メモリ監視をしているとメモリ不足になって対策が必要になるケースがあります。この際の対策方法としてメモリの配分を変更する、メモリを増やすというのがエンジニア側にできることです。予算が限られているのであれば融通を利かせて対応するしかありませんが、サーバーダウンなどのトラブルをなくすためにはリソース予算にある程度は余裕を設けておかなければならないでしょう。
また、社内利用している部分が多い場合には、運用方針を定めてメモリ不足などのときに従業員にアラートを出すなどの対応をする対策方法もあります。運用方針は全社的なものと、エンジニア用の監視向けのものを両方整えておくのがおすすめです。
明確な運用方針が定められていると、メモリ不足が発覚したときに適切な対応を速やかに取れます。現場に柔軟に任せるのではなく、一貫した対策方法を定めてawsを運用していきましょう。
awsのメモリ監視は運用方針を決めて対策しやすくしよう
awsではメモリ監視が安定運用のためには欠かせません。常時監視をしてデータを蓄積していき、障害対策やコストパフォーマンスの向上に活用していきましょう。メモリ監視などのリソース監視は不足が発生したときに対策する流れをまとめて、運用方針として定めておくのがおすすめです。
メモリを拡張すると料金が上がっていくので、できる限り無駄をなくす運用方針を整えましょう。